好き・嫌い(ラーガ・ドヴェーシャ)

好きな事をして生きるのが幸せ…

 

ですよね???

そうだと思います。

 

そう考えて、好きな事探し、やりたい事探しをする人が沢山います。

それが、出来る日本はなんて幸せな国なんでしょう。

 

でも、好きな事が見つからなかったら???

好きな事があっても、それが叶わなかったら???

 

そもそも、好きな事をしないと幸せになれない。

という考えは、幸せの基準を外的な条件に依存している事になります。

 

好きな事が見つかり、好きな事が叶うほんの一握りの人しか幸せになれない・・・

そんな図式です。

 

それに、全ての事を経験したわけではないのに、今の価値観のみで「好き嫌い」を決めつけているのは非常に世界が狭くないですか???

 

ヨガでは好き(ラーガ)も、嫌い(ドヴェーシャ)も、チッタブリッティを起こし、真実の自分から遠ざかる原因だと考えます。

そのため「好き・嫌い」という自分の選り好みを超えた「幸せを得る方法」をヨガでは教えます。

 

その方法は・・・

 

目の前にあること、やるべきことを精一杯すること。

 

すると、

「好きな事だから楽しい・・・」

から、

「一生懸命するから楽しい・・・」

へと、幸せや喜びの決定権が自分の元へとやってきます。

 

「幸せや喜び」を感じるのは元々自分の内にその性質があるからです。

それらは決して外の世界から与えられるのではありません。

 

それが理解できれば、全てに対する取り組み方が変わります。

 

例えば・・・

日本人は笑顔が損だとばかりに不愛想な顔をしている人が多いですね。

「愛想笑いは疲れる」なんていって、自分が楽しくない事や興味がない事には能面の様な顔を決め込む人が沢山います。

 

これらの人達は非常に不自由な人達です。

本人は笑いたくないから笑わない・・・

愛想笑いなんで奴隷のすること。

自分は自由だ!

と思っているかもしれません。

 

しかし、実際は楽しませてくれる人や事が無ければ笑う事も楽しむ事も出来ないのです!

とても不自由ですよね?

 

「楽しいから笑う…」

しかできない彼らは、周りの条件や感情の奴隷です。

 

「笑うから楽しい…」

つまり、自分から楽しめる人が真に幸せな人であり、自由人です。

それは、自ら笑っているので愛想笑いではありません。

 

この違い、解りますか???

 

幸せとは、「好きな事だけをする」のではないのです。

 

本当の幸せとは、

自分の、人間の使命を理解し、「するべき事(ダルマ)をする」ことなのです。

 

ヨガとはそういう教えです。