輪廻転生(サンサーラ)

サンサーラは輪廻という意味以外に、現世的生活、つまり、いま生きている世界という意味があります。

いま生きている世界という表現があるという事は、そうでない世界がある・・・

という事ですが、その世界は?あの世?

インドの世界観では、あの世もこの世も輪廻の内です。

 

次の生まれ変わりの立場は今生のカルマによって決定します。

 

天界(天国)に生まれ変わっても時が来れば、肉体は亡び、またどこかの世界に生まれ変わります。

因みに、天界では待遇の良さに怠惰になりやすいと言われ、次の転生では低い世界に生まれ変わる危険が多いと言われます。

 

その生まれ変わりの世界は、人間の世界をあわせて14の世界が紹介されています。

(仏教では六道輪廻といって6つですね。)

 

まあ、この世界の数はあまり気にしなくてよいと思いますが、人間より上は天界です。

つまり、神々の世界。

そして、人間より下の世界は魔界(地獄)。

魔界の生物は徳を積む(プンニャ)行為に乏しいので、上の世界に転生する事は非常に難しい(可能ですが)と言われます。

 

人間は丁度中間で、どちらの生き方も可能です。

上にも下にも行けるチャンス。

それ以外にも、ブッディと言われる知能を育て使う事で、その輪廻から脱出(解脱といいますね。)するチャンスでもあるのです。

 

天界に行くために徳を積む。

魔界に行かないために慎む。

 

これらは、普通の事で、ヨガに限ったことではありません。

しかし、これらは「欲」(ラーガ)に根ざした行為です。

欲に支配された行為は輪廻転生(サンサーラ)の内側です。

 

「生まれ変われるなんて夢があっていい!」

これは平均的な日本人の考え方です。(本当に仏教国なのか?!)

それは、今あなたが恵まれた世界で暮らしているからです。

次はどこに生まれ変わるかわかりませんよ!

 

ヨガは輪廻転生(サンサーラ)からの自由(モークシャ)を目指しています。

そこに、永遠(ニッティヤ)の幸せが存在するからです。

 

熱心に行為をするのは良い事ですが、それだけでは自身をサンサーラに束縛する事になります。

欲を手放す(ヴァイラーギャ)を忘れないようにしたいですね。

 

因みに自由(モークシャ)を得た人が行く世界は上記の14の世界の外です。

輪廻転生(サンサーラ)の外。

戻ってくることが無いので「永遠の幸せ」の世界だと言われています。

 

しかし、実は私たちは既に「そこ」にいます。

強い欲と執着がこのサンサーラに自分を縛り付け、盲目にしているのです。