3つの性質(トリグナ)

この世の中は全て物質原理です。

それは、身体だけでなく思考も感情もです。

 

そう言うと、「唯物論」と早とちりする人がいますが、そうではありません。

 

この世の物質原理は、精神原理の反映です。

つまり、この世で体験できる全ての裏に(満たされるように?)精神原理が存在するのです。

 

その精神原理には良い悪いなどの二元性や性質がありません。

それ自身が何にも依存せず属さず存在する状態。

それが、真実の自分(アートマン)です。

この相対二元の世界に住む私たちには理解しがたい状態ですが、これを知っておくのは大切な事です。

詳しくは「こちら」をどうぞ。

 

それに対して、物質原理であるこの世界は、馴染みやすい相対二元の世界。

良い悪い、好き嫌い、浄不浄、などの属性に区別された世界です。

 

ヨガではこの世界は3つの性質(トリグナ)の組み合わせで出来ていると言います。

その3つの性質は、

・サットヴァ(照明)

・ラジャス(活動)

・タマス(抑制)

です。

 

この組み合わせで、全ての物質が働くのです。

何となく、良い悪いが有る様に考えてしまいますが、そうでもありません。

 

因みに、人間はラジャスの性質が強い生き物です。

ラジャスは「活動」と紹介しましたが、激質とも言われ、激しく動き回る性質です。

その本質は「不快」です。

不快を解消しようとして突き進んできた人間の文明そのものですね。

 

タマスは、怠惰・迷妄とも言われます。

本質は「消沈」。

「ラジャスが過ぎるとタマスになる。」と言われますが、「働き過ぎて倒れる」と思うと理解出来ますね。

動物的、もしくは狂気とも言われます。

※と書くと、動物好きの人は怒るかもしれませんが、人間が動物的となればそうだと言うだけで、動物は動物のダルマに則って生きているので限りなくサットヴァです。

 

この2つだけなら、積極的なラジャスの方が良いとなりますね。

人間中心に考えればそうだし、この世の中の普通の価値観はそうです。

積極的に生産性の高い経済活動をする。

それが、人間の成功や幸せの秘訣とばかりに動き回っています。

人間の基本性質ですので、ややもするとヨガ界ですらこの性質に突っ走ります。

 

しかし、ヨガはそれを幸せとみなしません。

もう一つのサットヴァを目指します。

 

サットヴァは、「サットの様な性質」の事で、純質とも訳されます。

精神原理(アートマン)の性質です。

天界の神々はこの性質を帯びると言われます。

輪廻の中の神々の話しです。イーシュヴァラ・バガヴァーン・ブラフマンなどは精神原理ですのでグナを帯びません。

 

ヨガで目指すのはアートマンですので、このサットヴァが優勢になる様に努めます。

上記の性質のとおり、真実を照らしてくれる性質です。

 

サットヴァの本質は「快」です。

条件に左右されない幸せがサットヴァの本性です。

ヨガの行法はすべてサットヴァに向かう様にデザインされています。

それがヨガの目指す幸せであり、癒しなのです。

 

幸せは外の条件ではありません。

あなたの中にあるのです。

 

ただし・・・

このトリグナは、ランプの炎(照明)と油(活動)と芯(抑制)のように三位一体で役割を果たすものです。

極端にならずにバランスを取る感覚をお忘れなく。